

Vo1 / わつなちゃん

これは
1匹の猫の一生の中の
それはあたたかな、
あたたかなお話。
My days filled with happiness.
あるところに、わつなちゃんという1匹のねこがいました。
わつなちゃんは甘えん坊でちょっぴり食いしん坊な、元気でかわいい女の子。
そんな彼女が、自身が過ごしていた毎日のことを、自分の言葉であなたに話したいみたい。
少し聴いてみましょう。

わたし、わつな!
昔、別の人のところから今のご主人の所にやってきたの!
昔は結構大変だったけれど今のご主人のところに来てからというもの、
何不自由なくあたたかく暮らさせてもらっていたわ!
おかげさまでかわいい娘も一緒に面倒を見てもらってたの。
わたしご飯を食べることとダンボールが大好きで、
それを知ってかご主人はよくダンボールをくれたわ。
1番のお気に入りはミケネコ炭酸水って書いてあるダンボールね!
居心地が良くて寝床に使わせてもらってたわ。
最初はお水が入ってたから、しっかり飲んでもいいかチェックさせてもらったけど、
これなら大丈夫そう!あの時わたしの気持ち伝わったかしら?

わたし、いつも沢山わたしと遊んでくれるご主人が
大好きだったの。
それと同じくらい、ずっと一緒に暮らしてきた蔵太郎が大好きだった。
ご主人がお出かけしても、くらが隣にいてくれたから寂しくはなかったわ。
でも、あるとき、蔵太郎は急にいなくなった。
遠くへ行って、もう会えなくなっちゃったの。
すごく寂しかった。ずっと一緒にいたから。
だけどね、ご主人がいてくれたから、大丈夫だったの。
でも、すこしして、私もなんだかからだが変だなって思った時、どこかで蔵太郎の声がした。
僕はここだよって。
わたし、人間の言葉がわかる時があるの。
だけど、わたしの言葉はご主人には伝わらないみたいね。
もうご主人のそばにいられなくなるってわかった時、
この時くらいは伝わったらいいのにってずーっと思ってたことがある。
でも、いまなら。
このお空の上からなら伝わる気がするの。
ご主人、今までしあわせな毎日をありがとう
わたし、あなたの事が大好き。美味しいご飯、楽しいおもちゃ、暖かい寝床、優しい笑顔、
最期に用意してくれた棺やお墓。全部、全部わたしのたからものよ。
今はこっちでくらが迎えてくれたから、寂しくないよ。
ご主人に会えないのはとっても寂しいけど…
たまに、空を見上げてみて。キラキラ輝く星の1つがわたし、近くにいる星が蔵太郎だから。
あなたに会えてよかった。
また、会えたらいいな。
― ― ―これが、わつなちゃんから届いたメッセージ。
見て。綺麗な夜空に流れ星がひとつ、ふたつ。
今日もお空のどこかで、2匹で寄り添って暮らしているのかな。





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